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営養学

 玄米屋便り第13号「栄養から営養へ」 

 

私達が生涯にわたり食や人生を楽しみたいと願うのであれば、「えいよう」を考えることは極めて重要なことです。

 

 

それは誰もが認識しているであろう、当たり前の様なことではあるでしょう。

 

 

ただ、今なぜ「えいよう」と平仮名で表記したのか? 

 

 

その理由をこれから説明していきたいと思います。

 

 

 

「栄養」とは、人が健全な生命活動を営むために必要な物質を指すわけですが、ところでこの「栄養」という言葉、一体いつ頃から使われ始めたのか、皆さんはご存知でしょうか?

 

 

栄養という言葉の歴史は実はとても浅く、わずか100年ほど前、1918年頃に当時の栄養学者である佐伯矩(さいきただす)氏の提言により、その言葉が一般に使われるようになったそうです。

 

 

それ以前は「営養」「滋養」という表記が主に使用されていたそうですが、当時の日本国の富国強兵論による発展の助長を促したいという意識もあり、「栄える」という意味の漢字をあてはめることが推奨されたというわけです。

 

 

「栄える」という言葉には健康を増進する意味合いがあるということで、営養から栄養への表記が一般化されるようになったそうですが、100年前ならいざ知らず、今の社会の中でこれ以上栄えることが、本当の意味で人の健康を増進することに繋がるとは私にはとても考えられません。

 

 

 

これまでたくさんの人達が、やみくもなまでに自分達の栄華を求め続けてきたことで、今の社会環境は物質的にはまさしく非常なまでに栄えることに成功しました。

 

 

しかし、その過ぎた栄華が今、あちこちで歪みをきたし続けています。

 

 

 

その歪みは人の健康のみならず、社会環境や人が生み出す現象など、様々なところでみられ続けているのです。 

 

 

 

にも関わらず、私達が未だに栄えることばかりを求め続けるようであれば、それ相応の様々な厳しい変化が待ち受けることとなるのは否定できません。

(私達にとってどのような変化が待ち受けることとなるのか、それはまた別の機会にでも書きたいと思います)

 

 

 

物質的に満たされた現代社会に生きる私達にとって、本当に必要なこととは今以上に栄え続けることなのでしょうか?

 

 

私はそうは思いません。

 

 

今の私達に本当に必要なことは「営み続けること」です。

 

 

自分のキリの無い欲望に流されて生きるのではなく、その時々に得ることの出来る「人としての幸せ」を噛み締めながら、人としての人生を営んでいく。

 

 

 

そのための智恵こそが、今に本当に求められていることなのではないかと考えています。

 

 

 

現代の私達に必要なものは「栄養」ではなく「営養」、つまり人生を営み続けるための養分であり、より良く人生を営み続けるための「智恵という名の肥やし」なのではないかと思えてなりません。

 

 

言葉の力、言霊というものには不思議な力があるものです。

 

 

やみくもに栄養を求めるのではなく、自らの人生をしっかりと営むための指針とすべく今こそ「栄養」から「営養」への表記に戻すべき時がきたのではないかと私は考えています。

 

 

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 現在、食事による栄養摂取の、国が推奨する指針においては、4群点数法が基本として構築されていますが、料理の組み合わせを中心に表現したバランスガイドというのも推奨されています。

 

 昔よく言われていた「一日30品目の摂取を目標に!」なんてのも、まだバランスガイドにあったような気がします。

 

 

 しかし、それらはいずれにしても、白米を主食として考えた指針であり、玄米を主食に考えると内容はまったく変わってくるのです。

  

 玄米を主食にすると、様々なミネラルが摂取できるため、副菜の摂取によるミネラルの補充をそれほど必要とはしません。

 

 わざわざ30品目もの他の食材を取り入れるまでもなく、玄米だけで人が生きるために必要な栄養素のほとんどの種類や量が摂取できるのです。

( もちろん、玄米だけでは足りない微量栄養素や、玄米を摂取する”量”によっても、足りない栄養素などがありますので、けっして玄米だけでこと足りるわけでは無いことをご認識下さい )

 

 

 そもそも、昔は玄米をほとんど精米せずに食べることで、食料が豊富でない時でも栄養不足になることなく、人は生きていくことが出来たのですが、玄米の薄皮をむいて白米にすると「甘くて美味しい」ため、皆が白米を選ぶようになったという経緯があるのです。

 

 

 

 「美味しい」という喜びを得るため、わざわざ栄養を捨てたわけですが、それだけでは当然栄養不足になるので、何かで補充しなければいけません。

 

 

 その「何か」にも、さらなる「美味しさ」だけでなく「豊富な栄養」を求め続けてきた日本人は、「今」がどれほど「恵まれている」かしっかりと認識しなければならないのではないでしょうか。

 

 

「驕る平家は久しからず」「盛者必衰の理をあらわす」

 

 

 今の自分だけが楽しめれば良いと考えるのなら、別にそれも数ある生き方の一つだとは思いますが、未来の子孫達の幸せをも考える知性を持つのであればいかに自己を制御することが出来るか、そういったことも考え、実行するべきだと私は思うのです。

 

 

 それこそが「良い生き方」につながるのではないかと、たいぞうは考えています。

 

 

 

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 日本の現代栄養学は、非常にクオリティの高いものであり、最近では遺伝子レベルでの研究分析等も活発化するなど、その進歩にも素晴らしいものがあります。

 

 しかし玄米屋たいぞうは、その現代栄養学を学ぶ人達の、根本的なところに、「重大な間違い」があるようにおもえてならないのです。

 

 

その一つは、「カロリーを主体に考えるような場合が多い」ことです。

 

 

 カロリーベースで思考するということは、未だに食料を燃料として捉えていることが考えられます。

 

 

 現在の医学における常識として、食料は人体にとって燃料ではなく、言うならば「組織を入れ替えるために必要な同志」ということが、広く知られています。

 

 

 つまり万物流転、新しく取り入れた食料が自身の細胞になり、それまでの古い細胞は糞尿などとして排泄されることは、今や常識として知られていることなのです。

 

 

 栄養学においても、それをしっかりと認識しなければ、根本的なところで勘違いをしてしまうことは必至でしょう。

 

 

 

 もう一つは、国の定める食生活指針の内容です。

 

 

 全10項目ある中で、最初の一項目だけが全くもってナンセンスな内容と言えるのです。

 

 

「食事を楽しみましょう」

 

 

 国の定める指針の一番目の文が、このような訳のわからないことを堂々と示しています。

 

 

 そもそも人にとって、空腹はもっとも大きなストレスであり、それを食事で満たすことは大きな快楽になるのです。

 

 わざわざ国の指針として示すまでも無く、病気でもない限り、ほっといても誰でも食事を楽しんでいるものです。

 

 

 現代社会の問題は、皆が食事を楽しみ過ぎているから、様々な生活習慣病を引き起こしているところにあり、国がわざわざ「食事を楽しみましょう」などと推奨することには、全くもって同意できません。

 

 

 孤食化している現状を憂いて、そのような文面を作ったのかもしれませんが、そうであれば「如何に楽しむか」が重要なことであり、そのためには「食事に対しての感謝」は欠かせません。

 

 

 ですから、本当なら国が第一文として示すべきは「食事に感謝しましょう」であるべきなのです。

 

 

 日本の現代栄養学は、非常に質が高いものであることは認めますが、このような根本的なところを正さない限りは、いつまでたっても真の改善は果たすことは出来ないのではないでしょうか。

 

 このような考えの下で、今もたくさんの栄養士や管理栄養士が育ち、食事を楽しむことを第一義として推奨し続けているかも知れないのですから。

 

 

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