フィチン酸の効果
玄米に含まれる成分の中で特に注目されているのが高い抗がん作用を持つフィチン酸です。
そんなフィチン酸の優れた働きをまとめると・・・
① 高い解毒排泄力
② ガンや動脈硬化等の病気を引き起こす活性酸素の育成を阻止する坑酸化作用
③ ガン細胞の発生と増殖の抑制作用
④ 血中コレステロール値の低減。血液の凝固を抑制する血小板凝集阻止能
⑤ 腎臓結石などの結石の元となる不要なカルシウムの除去作用
などがあります。
しかし様々な情報が飛び交う中、玄米に含まれるフィチン酸の害を知り、とても不安になりました。本当に玄米は安全なのでしょうか?という人もいるようです。
確かに古い学説では、フィチン酸がミネラル(鉄・カルシウム・マグネシウム・亜鉛など)と結合して体外に排出してしまう、またフィチン酸と結合したミネラルは水に溶けないため、腸からの吸収が阻害する、などということが考えられていました。
フィチン酸(別名IP6)とは、人間の細胞や雑物おもに米ぬかに多く含まれる生体物質の一種ですが、本当に人体に有害な物質のほかに、ミネラルまで排出してしまうのでしょうか。
二種のラットを使ったフィチン酸の実験では、ごく短期間に高濃度のフィチン酸を与えたラットは、一時的にカルシウムの吸収が抑制されますが、フィチン酸の豊富な飼料を与え続けると、カルシウム吸収量は正常値に回復しました。
また1990年には、微量鉱物元素(ミネラルなど)と結合したフィチン酸は、安易に解離し、残った微量鉱物元素を自由な状態にするので、より体内で吸収しやすくなったとの実験結果が発表されています。
いろいろな無責任な情報が飛び交っているようですが、フィチン酸は非常に安全な栄養素で、摂取してもいかなる副作用も起こしませんし、フィチン酸を豊富に含む玄米を毎食食べても、ビタミンやミネラルは排出されませんので、欠乏を恐れる必要は全くありません。
しかも、フィチン酸の優れた力の一つに、汚染物質の水銀やカドミウムなどと化学結合して水に不溶性の塩となっての排泄があります。食品添加物や農薬のPCB・その他の公害汚染物質の毒も排出してくれます。いわば体内の有害物質掃除人といえるでしょう。
このフィチン酸と、玄米に豊富に含まれる食物繊維の相乗効果で強力な解毒作用が生まれてくるのです。
フィチン酸の害を訴えた学説の根拠は、フィチン酸を多く含む食べ物(ピタと呼ばれるパン)だけを摂取し、ミネラルやビタミンなどが不足した栄養バランスの悪い食習慣を持つ地域で、子供たちの成長や発育に悪影響を与えていた事実があったからです。
さて、そんなフィチン酸(IP6「イノシトール6リン酸」)の働きが発見されたきっかけは、米国メリーランド大学医学部の医学博士・シャムスディン教授が、フィンランドとデンマークのガン発生率の差に着目したことにありました。
従来の大腸ガン予防研究では、食物繊維にばかり重点が置かれ「食物繊維を多くとればとるほどガンの発生率が低下する」と考えられていました。
ところが、デンマークとフィンランドの人々の食物繊維摂取量を調査すると、双方とも同じくらいの食物繊維をとっているにもかかわらず、デンマークのほうが大腸ガンの発生率が二倍も高いということが判明したのです。
そこで、それぞれの食生活の違いをこまかく調べたところ、フィンランド人のほうが、ぬかや胚芽のついた穀物をたくさんとっていることがわかりました。
つまり、フィチン酸(IP6)の多い穀物を中心に食事をしている人々のほうが、大腸ガンの発生率が少なかったのです。
その後、シャムスディン教授はこのフィチン酸(IP6)が大腸ガンだけでなく、肺がん、乳ガンなどの多くのガンを抑制する効果があることを、ラットを使った実験によって確認しています。
またフィチン酸(IP6)は、病気や老化のもととなる活性酸素の害を2/5以下に抑えることもわかりました。これがフィチン酸(IP6)はガンだけでなく、生活習慣病の予防や改善にも有効に働くゆえんなのです。
また、1998年に京都で米ぬかに含まれる成分についての国際会議が行われました。
そこで大きな話題となったのが、穀物の種のぬかや胚芽、外皮に含まれるイノシトールとフィチン酸(IP6)という成分です。
イノシトールはビタミンB複合体の仲間で、人間の体内では脳、神経系などに広く存在し、生命維持のための重要な役割をしています。またイノシトールは体内で脂肪やコレステロールを体がエネルギーとして使えるようにコントロールするという働きを持っています。
ある実験で、二組のラットに高濃度の砂糖をまぜたエサを与え、一組にはエサだけを、もう一組にはエサとイノシトールを与えて、コレステロールや脂肪の数値を調べました。
すると、イノシトールを与えたラットだけに、肝臓の重量、コレステロール、中性脂肪が減少するという結果がみられたのです。イノシトールには肝臓の脂肪をとり除き、コレステロールや血中の脂肪の流れをよくする効果があることがわかりました。
また、イノシトールには脂質の代謝を高める働きもあります。つまり、脂肪を減らすだけではなく、やせやすい健康な体をつくることに役立つ成分といえるでしょう。
イノシトールは、体内でわずかな化学構造上の変化を起こして、IP1~IP6という六つの家族を生みます。
イノシトールとIP1~IP6は単体でも生命維持に欠かせない働きをします。また、いずれが共同で働き、健康維持のためにたいへんよい効果をもたらすこともあります。
なかでもとくに注目されているのが高い抗ガン作用を持つフィチン酸(IP6)なのです。
はっきり申し上げて、フィチン酸を豊富に含む玄米を食べることに不安を持つ必要は全くありません。
ネット上での意見は、あくまでも実験室での化学反応の結果から「推測」しているだけに過ぎず、本来は食物が生体内でどのようにして代謝されるかを研究し、体内で実際に起こる化学反応がどういったものなのかを判断することが重要なのです。
そもそも玄米は、古くは弥生時代から江戸時代中期まで食べられていた由緒ある食べ物です。
逆に玄米食から白米食に切り替えた江戸時代後期では「脚気」という病気が流行したほどです。
「脚気」はビタミンBなどのミネラル不足によりなる病気です。
当時、玄米食から白米食に切り替えた人々は副菜の栄養が足らないため、この病気が流行したのです。
現代は副菜の栄養が不足することはまず無いくらい飽食の時代ですので脚気にかかる人はほとんどいませんが・・。
このような事実を考えても、フィチン酸について不安を感じる必要などないことが御理解いただけると思います。
どうぞ皆様、安心して玄米を食べて健康になって下さい。
こちらのページでもフィチン酸について説明します