「玄米食はダイエットにもってこい」という話は、皆さんよく聞く話だと思います。
しかしそれだけではなく、玄米を中心とした食事法で生活することで、太りたくても太れない人にとっても、良い効果が得られる可能性があるのです。
それはどういうことでしょうか?
その理由を知る前に、まずは”太りたくても太れない人”、つまり、”いくら食べても太れない人”の、その原因を知ることが必要です。
(あらかじめ断っておきますが、けっして病気の方を対象にした話でなく、遺伝的な要素が強く関与した、肉体の体質が原因と思われる方を対象にした話であることを御理解ください)
(また、例え話ではありますが、タンポポがひまわりになろうとしても無理な話で、タンポポにはタンポポの良さがあり、太りにくい体質も個性だということを自分自身で認めることが、まずは大切です。
それを十分に認識していただいた上で、今から紹介する、自分の能力を高めるための提案についてを御理解いただきます様、お願いいたします。)
”いくら食べてもなかなか太れない人”には、実に様々な要因があるのですが、根本的な要因の一つとして、自分の体質の問題というのが考えられます。
太れない人の体質は、一般的な人と比べると、各消化器官の消化吸収能力が劣っていることや、体組織生成能力が劣っていることが考えられるのです。
また、肝臓の能力が低いと、様々な栄養の生成抽出能力などの代謝能力も低いため、それも原因の一つとして考えられるでしょう。
ですから、そういったタイプの人は、一般的な人よりも筋肉が生成されにくく、そのため猫背になるなどして、骨格の歪みが生じ、その結果、血流の流れが悪くなったり、内臓に負荷がかかることでその機能が落ち、ますますの悪循環に陥ってしまう、という後天的な原因もが発生してしまうことになるのです。
簡単に説明すると、以下のような流れになります
※ 小腸での消化吸収能力が比較的低い(消化器官の能力や酵素などの生成能力が低い)
または、栄養の生成、代謝能力が比較的低い(主に肝臓の能力が低い)
または、体組織生成能力が比較的低い
↓
※ 筋肉が生成されにくいため、体を支えきれず骨格が歪んでくる(猫背など)
↓
※ 骨格が歪む事で内臓が圧迫され機能低下に結びついたり、血流が正常な流れとならずに滞ったりすることで、筋肉がますます生成されにくくなる。
ざっと上記のような悪循環のパターンが、太りにくい人達には多いようです。
ですから先天的な原因である、自分の体質をなんとかしなければならないわけですが、そう簡単には自分の体質が変わるものではありません。
しかし、今の食事のスタイルが、もし自分の体に合っていないものだとしたら・・・
自分が食べてきた食事が、本来の自分の能力を活かすことの出来ないものばかりであることを考えたら・・・
そう考えるとどうでしょうか。
多くの日本人は胴長短足で、つまり腸が長く発達していることが特徴です。
なぜ日本人の腸が長く発達しているのかというと、それには日本人が何千年も昔から、米や山菜といった食物繊維の多い食物を、主な栄養源として摂取し続けてきた歴史に理由があるのです。
食物繊維を多く含む食物は、そう簡単には消化吸収できないため、長い年月をかけて日本人は腸を長く進化させてきました。
また、食物繊維自体は吸収されない栄養素ではあるのですが、大腸内において食物繊維を好む様々な特有の菌が発酵する際に生成される、脂肪酸などの物質を自身の栄養源として吸収することができるため、大腸を発達させることは非常に理に適っていたわけです。
そのような独自の栄養吸収システムを発達させてきたため、日本人は肉類などの高タンパク質や脂肪を摂取せずとも、米や野菜を中心にした食事で、生きるために必要な栄養を賄うことが可能だったのです。
しかし、現代の私達の身の回りにある食料は、ほとんどが高タンパク、高脂質、高カロリーの性質の食料ばかりです。
また、米は精製されることで、食物繊維の含有量は極めて少なくなっています。
そして、それらの食料に含まれる栄養素は、人間の消化吸収システムにおいては小腸にて吸収されるものなのですが、小腸の消化吸収能力がそれほど高くないタイプの人は、効率よく吸収できないまま、それら未消化の食料が大腸に送り込まれることになります。
そして、その未消化の食料は先に説明したように、大腸内で菌による発酵が成されますが、脂質やたんぱく質などの発酵においては、自分にとって有益となる脂肪酸が発生されることはなく、逆に有害な物質などが発生することが多いのです。
(日本人に大腸ガンが多い理由には、このことが最も影響していると考えられます)
これらのことを踏まえて、現代食の特徴である、高脂肪、高タンパク、高カロリーの食事を摂取しても体重が増えない人には、未精製の米や野菜などの食物繊維を多く含んだ、粗食を中心とした食事をとることを、たいぞうはお勧めします。
小腸で吸収する能力が低くとも、発達した大腸による栄養の吸収システムが大いに役立つ可能性があるのです。
ちなみに小腸で吸収された栄養は必ず肝臓で代謝されてから全身に運ばれますが、大腸や直腸などで吸収された栄養は肝臓を介さず、直接全身に運ばれるため効率が良いことがあります。
(この大腸や直腸での効率の良い吸収を説明する際、「座薬の効き目が早い」という例が、理解を促すことに役立ちます。
つまり、吸収された栄養(成分)が肝臓を介さず、直接全身に運ばれることで、非常に即効性のある効果があるわけです)
ただ、注意したいのは、食物繊維の多い食事のスタイルに変えたからといって、すぐに効果があるわけではありません。
大腸内での発酵による脂肪酸などの栄養素の生成には、特定の菌の存在がかかせません。
つまり、自分の大腸内でそのような菌が最も活動できるような環境にならないことには、その恩恵を得ることは出来ないわけです。
そのような有用菌がスムーズに働くような腸内環境にするためには、食事の習慣を変えることが、やはり重要なのですが、それによって、すぐに腸内環境が変化するわけではなく、個人差はありますが、半年から1年くらいの時間が必要なようです。
(ちなみに、腸内環境を変えることで得ることの出来る、もう一つの恩恵に「おならや便が臭くなくなること」があります)
話は変わって、痩せ型の人には神経症ぎみの人が多いことも見受けられますが、人は心因ストレス下において、大量のエネルギーが脳内などで消費されることがわかっています。
神経症の人は、心因的なストレスをしょっちゅう発生しているため、常に大量のエネルギーを必要とし、結果太らない、太れない、ということがあるのです。
そして、さらには脳内での大量のブドウ糖の消費が低血糖症を招き、それによりますます神経過敏を招くといった悪循環が起こりうるのです。
この低血糖症による神経過敏を解決するためにも玄米を中心とした食事法が有効である可能性があるのですが、それについてはまた別の機会に述べたいと思います。















